フラジール錠によるアメーバ肝膿瘍治療
<患者情報>
・48歳 男性
内科からの処方
Rp)フラジール内服錠250mg 8錠 4×毎食後、就寝前 4日分
パリエット錠10mg 1錠 1×朝食後 4日分
<適応外処方>
フラジール内服錠は、アメーバ肝膿瘍の治療に使われる。
○赤痢アメーバ症 ガイドライン
<内容>
肝膿瘍の第一選択薬剤はメトロニダゾールである(フラジール錠ほか。赤痢アメーバ症に対して国内では保険薬価未収載であるが、現実には広く処方されている)。
投与は1~2g、分3~7、7~10日間。
<服用上の注意>
日本人では、1.5g/日以上投与時に、悪心、嘔吐などの副作用を発現することが多い。ジスルフィラム様作用があり、本剤投与中および、投薬終了後1週間は禁酒とする。このほか、うつ傾向、運動失調、めまい、白血球減少、発疹などの発現も報告される。
<アメーバ肝膿瘍>
臨床症状は、発熱、上腹部痛、肝腫大、盗汗などである。さらに右胸膜炎や横隔膜挙上を示す症例も多く、乾性咳嗽や右肩甲部痛を訴えることもある。多くは38度以上の発熱を示す。
診断は超音波やCT検査が行われる。アメーバ性膿瘍での血清アメーバ抗体陽性率は、95%以上と高い。
<感染>
赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の90%は、ヒトに病原性を持たない非病原種であり、病原種は残りの10%で、病原種原虫に感染した世界人口は1%程度と考えられている。今日の我が国では、男性同性愛者間に性感染症としてこの原虫が流行していることが知られている。日本に流行している原虫は、その多くが病原種であるため、大腸炎や肝膿瘍などに至る。
(日本感染症学会 ガイドライン2006年作成)
