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難治性慢性疼痛患者に対するSSRIの有用性


<患者情報>
・長く腰痛があり、痛み止めを毎日服用しているがよくならない。

整形外科からの処方
70歳女性

Rp)
  ロキソニン3錠  3×毎食後  30日分
  ガスターD錠(20 mg)2錠  2×朝夕食後 30日分
メイラックス(1mg)1錠  1×寝る前  30日分
パキシル錠(10mg) 1錠  1×夕食後 30日分


<パキシルの処方意図>
○ 難治性慢性疼痛

<慢性腰痛に対するSSRIの使用経験>
変形性脊椎症13例、脊柱管狭窄症10例、腰椎椎間板ヘルニア3例にパキシルを投与した。1日20mgを1日2回朝夕食後、最低3ヶ月服用した。この間NSAIDの使用は中止した。
評価は、SDS(Self-raiting Depression Scale)PRSと(Pain Release Score)で行った。投与前のSDSは、24~68点(平均48.9点)であった。投与後3ヶ月のPRSは3から10点(平均6.96)であった。投与前のSDSを50点で2群に分けると、50点未満*のPRSは、7.7に対し、50点以上*群のPRSは6.2とうつ傾向の症例の除痛効果に統計的有意差をみた(PRSが小さいほど除痛効果が高い)。

* 正常範囲40点以下、神経症範囲40~60点、うつ病範囲60点以上

<難治性慢性疼痛患者に対するパロキセチンの内服の有用性>
SSRIのパロキセチンが著効した慢性疼痛疾患の5例紹介
〔症例1〕左胸背部帯状疱疹後神経痛 VAS50→投与後VAS5
〔症例2〕会陰部痛VAS62→投与後VAS36
〔症例3〕肩手症候群VAS30→0
〔症例4〕左顔面帯状疱疹後神経痛の除痛VAS95→投与後30
〔症例5〕変形性腰椎症VAS20→VAS2

<メカニズム>
詳細は不明であるが、鎮痛効果作用として
・ 下降性疼痛抑制系に働く。
・ 疼痛閾値の上昇と脊椎での5-HTのターンオーバーを増加させて侵害受容性の活動を阻害。

また、慢性腰痛患者の腰痛以外の愁訴として、睡眠障害、易疲労性、頭痛・肩こり、しびれ、背筋痛、関節痛などが多くあり、慢性腰痛の患者の半数近くにうつ状態がみられると報告がある。痛みによるよる不安感が、またその疼痛を増すとされるため、 SSRI が補助治療薬としての効果を期待されている。

<参考文献>
若江幸三良;日本腰痛研究会雑誌9(1)117-210:2003
奥野隆司;日本ペインクリニック学会雑誌/第37回日本ペインクリニック学会雑誌10(3)355:2003