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感染性心内膜炎予防のための抗菌剤処方(H23.8.19 up)

<症例>
76歳男性
歯科より
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ケフレックスカプセル250mg  8Cap
 抜歯一時間前に服用      1日分
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<患者背景>
循環器より定期薬処方中。患者インタビューにより、人工弁をいれているとのことだった。
・定期処方(抜粋)
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ワーファリン(1)      4.5錠
   1日1回 夕食後
バイアスピリン       1錠
ラニラピッド(0.1)     1錠
テノーミン(25)       1錠
   1日1回 朝食後
アーチスト(10)       1錠
   1日2回 朝・夕食後
メキシチールカプセル(100)3C
   1日3回 毎食後
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<文献報告>
感染性心内膜炎は基礎心疾患を有する患者に生じやすい。合併症を引き起こしやすい重篤な感染性心内膜炎になりやすい基礎心疾患として、人工弁置換患者が含まれる。
また、感染性心内膜炎の主要な起因菌は口腔内連鎖球菌である。
心内膜炎は死亡率が高いことから、その予防が重要視されてきた。

下記に、抗菌薬投与法の一例を引用する。


経口投与可能群:アモキシシリン<50mg/kg(上限2g)処置1時間前経口>
経口投与不可群:アンピシリン<50mg/kg(上限2g)処置30分以内に静注>

ペニシリンアレルギーがある場合:
   1、クリンダマイシン<20mg/kg(上限600mg)処置1時間前経口>
   2、セファレキシンorセファドロキシル<50mg/kg(上限2g)〃>
   3、アジスロマイシンorクラリスロマイシン<15mg/kg(上限500mg)〃>

ペニシリンアレルギーがあり、経口投与不能:
   1、クリンダマイシン<20mg/kg(上限600mg)処置30分以内に静注>
   2、セファゾリン<25mg/kg(上限1g)〃>


●今回の症例では、ペニシリンアレルギーがあるため、ケフレックス(セファレキシン)が選択されたと思われる。


●米国心臓協会(AHA)は2007に心内膜炎の予防に関するガイドラインを修正し、歯科処方を必要とするハイリスク群が大幅に削減されている。1)歯科治療と心内膜炎との関連を示すエビデンスレベルの高いデータが無いこと。2)日常の菌血症のほうが,、たまに行く歯科医院での治療よりもずっと頻度が高く危険である為、歯科治療のときだけに抗菌薬の投与を行うのは意味がない。とする見解による。

しかしながら、循環器専門医や感染症専門医からすると、歯科治療が原因となっている症例もあるように思え、個々に応じた対応をすべきだろうという意見も多く存在する。

<参考文献>
・丹羽公一郎「循環器系感染症」、Current Therapy 2008:Vol.26,No.8
・西原崇創、古川恵一「感染性心内膜炎の予防-なにが変わったか?」、EBMジャーナル2008:Vol.9,No.3
・坂本春夫「感染性心内膜炎」、歯科におけるくすりの使い方2011-2014:p100-p103