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チラーヂンSの分割投与

甲状腺ホルモン製剤(チラーヂンS)の投与方法について

内科(79歳女性)
Rp: 
 チラーヂンS(50) 2T 2×MA 28日分
 ノルバスク(2.5)  2T 2×MA 28日分
 ユベラN(200)  2T 2×MA 28日分
 ディオバン(40) 2T 2×MA 28日分
 
甲状腺ホルモンは添付文書上では、1日1回経口投与となっており、通常
1日1回朝食後で処方されることが多い。
①朝に多く分泌される
②半減期が1週間~10日間と長い
の理由から。
しかし、上記処方のように分割して投与される場合がある。

甲状腺ホルモンを投与すると、基礎代謝が上がるため、心臓に負担がかかる。
禁忌の項目に、基礎代謝の亢進により心負荷が増大し、病態が悪化することがあると書いてあるのは、心臓に負担がかかるためである。
この心負荷のリスクを減らすために、分割投与(この処方では1日2回)する場合がある。
                       (あすか製薬 医薬学術部)

(参考文献)日本医事新報No.3648
甲状腺機能低下症に対する甲状腺ホルモン補充療法について。T4製剤の1回投与法と3分割投与法について(T4製剤:チラーヂンS)

甲状腺ホルモン投与にあたり、注意すべきことに狭心症、心筋梗塞を誘発することがあるという点がある。

A群:重症の機能低下症で、心電図に虚血性変化を認められた群
 狭心症、心筋梗塞を誘発しないように、T4製剤12.5μg/日を3分割で
 投与開始。狭心症、心筋梗塞が起きなければ、2週毎に12.5~25μg/日ずつ増量する。このような慎重な治療にもかかわらず、T4製剤37.5~50μg/日に増量すると、狭心症や心筋梗塞を誘発することがある。この場合は、増量せずに、1~2週間観察すると改善する。最終的な投与量は、100μg前後/日。

B群:中等症の機能低下症
 患者をよくみて、重症A群、軽症C群に準じて治療する。心電図変化があれば、重症A群に準じて治療する。

C群:軽症の機能低下症
 25~50μgで治療開始し、2~4週毎に25~50μgずつ増量する。最終的な投与量は75μg/日となる。若い患者では最初から75μg前後/日投与する。

T4製剤の3分割投与のほうが、狭心症や心筋梗塞が出る頻度が低い。
したがって、T4製剤で狭心症、心筋梗塞を誘発した例では、
T4製剤少量3分割投与する。